ウォールナット材とは?特徴やクルミ材、オーク材との違い、メリット・デメリットをご紹介!

ウォールナット材とは?特徴やクルミ材、オーク材との違い、メリット・デメリットをご紹介!

”ウォールナット”と聞いてみなさんはどのような木かイメージできますでしょうか。聞きなじみがないという方も多いかと思います。しかしウォールナットはチーク・マホガニーと並び世界三大銘木の一つで、家具や建物など多くの場面で利用されています。そこでこの記事では、ウォールナット材とはどのようなものか、特徴やクルミ材、オーク材との違い、メリット・デメリットなどについてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ウォールナット材とは?特徴をご紹介

ウォールナットは、日本語で「クルミ」と呼び変えられます。しかし後ほどご紹介しますが、一般的にクルミ材と言われるものと区別して呼ばれることが多いので、この点に注意が必要です。ウォールナットはチーク・マホガニーとともに、世界三大銘木に数えられる高級品種のため、古くからアンティーク家具や大聖堂のような建築、アメリカ大統領の指揮台、工芸品など現在にいたるまで様々な場面で重宝されております。少し歴史的な観点でお伝えをすると、17世紀後半チャールズ2世がイングランド王として即位すると、家具史上に大きな発展をもたらします。今まで家具材として多用されていたオーク材に変わり、ヨーロッパの家具市場は高貴な印象を与えるウォールナット材による製品が人気を独占し(富の象徴)、「ウォールナットの時代」と呼ばれたという逸話も残っています。日本でも1970年以降に少しずつ有名になり、内装用の化粧単板や家具に用いられ現在は需要の増加により、希少価値が高く、入手が困難になってきております。

日本で「ウォールナット材」と呼ばれる際、品種的にはブラック・ウォールナット、アメリカン・ウォールナットという樹木が該当するケースが多いです。その名の通り、深みのある濃い褐色が特徴のブラック・ウォールナットや北米産(産地:アメリカ)が主流で硬く粘りのある材質のアメリカン・ウォールナットの2つが多く用いられる種類になります。

ウォールナット材の特徴としては、

・加工性や接着性に優れているため、加工がしやすい

・狂いが少なく、耐久性に優れている

・ツヤがあり、美しい木肌をもち、衝撃を吸収しやすい

・触り心地がいい

・適度の油分を含むため、経年変化によって艶っぽい色合いになる(アンティーク家具などに向いている)

という点が挙げられます。

ウォールナット材は、上記の特徴からテーブルや椅子などの家具などに使われたり、楽器、工芸品、建築材などにも使われることがあります。

ウォールナット材とクルミ材との違い

「ウォールナット」と「クルミ」は同じ種(クルミ科クルミ属の落葉広葉樹)ですが、実際に使用する際には違った特徴を示します。そこでその章では、ウォールナット材とクルミ材との違いについてご紹介していきます。

クルミ(クルミ材)とは

一般的に「クルミ材」と呼ばれるときは、オニグルミという種類の木を指すことが多く、日本や中国、ロシア産のクルミ材を総称します。日本では北海道、本州、四国、九州の広範囲にわたり植林されており、河原などでも見かけることができる身近な木になります。

クルミであるため、普段スーパーなどでも売られているクルミの実(果実)はこの木からとられ、種子の核が食用で、油を搾ることもできます。

ウォールナット材とクルミ材の一番の違いは「色」

ウォールナットとクルミの一番の大きな違いは、木材の「色」になります。

ブラック・ウォールナットと呼ばれているように深みのある濃い褐色をしているウォールナットと比較して、クルミは明るくナチュラルな白みのある色をしており、クルミ科と同じタイプに分類される木材でも対照的な色合いとなっています。

重厚感があり、高級な雰囲気を醸し出すウォールナットに対し、温もりや素朴さを味わうことができるのがクルミの特徴になります。

どちらの材料も家具材としては優秀で、どのような場所に設置したいかや、空間をどのように演出したいかなど各個人に合わせた使われ方をすることが多くなってきています。

ウォールナット材とオーク材との違い

オーク材とは

オークは日本では「ナラの木」という名で呼ばれており、広葉樹になります。主に北米が産地で重厚感があり、耐久性も高く、加工しやすいという特徴があります。ウォールナット材と同様に昔からよく使用されている木材で、アンティーク家具などによく利用されています。

ナラの木についてはこちら

ウォールナット材とオーク材との違い

どちらも高級木材として有名ですが、色合いと経年変化に違いがあります。オーク材は明るい色合いでナチュラルな雰囲気をもっていますが、ウォールナット材は濃い深みのある色合いを持ち、全く異なる色合いになります。

ウォールナット材のメリット・デメリット

次にウォールナット材を使用するメリットとデメリットについてご紹介をしていきます。

メリット1:ウォールナット材は衝撃に強く、耐久性に優れている点

ウォールナット材は、ライフル銃(銃床)などにも使用されるほど衝撃に強い木材で、硬くて丈夫と言われています。また耐久性にも優れているため、フローリングにものとかを落としても大丈夫な床材として用いられたり、壁や角などにぶつけてしまいがちな家具などの建材としても重要な役割をはたしています。

また加工性の高さにより、多くのデザイナーに愛されてきたことという側面もあわせもちます。世界的に有名な建築家やデザイナーが製作したチェアはウォールナット材を用いられることも多いそうです。チェアは人の体重を支え、暮らしに彩りを加える役割を果たすため、揺れに強かったり、耐久性に優れることが重要なポイントです。デザイン面や椅子としての役割を果たす中で効果的な材質と言えるかもしれません。

メリット2:ウォールナット材は触り心地がよく、見た目もよい

ウォールナット材は、ツルツルとした肌触りをしており、触り心地がよいのもポイントの一つです。その点から湿度が上がりやすい夏などでも裸足でべたつかず、快適に過ごすことが可能です。また美しい木肌をしているため、重厚で落ち着きのある気品にあふれた空間を演出することも可能であることから室内を高級感あふれる空間にしたい方から多くの人気を集めております。

デメリット1:ウォールナット材は他の木材と比較して価格が高い

ウォールナット材には上記のような非常に素晴らしい点を兼ね備えているため、他の木材と比較して価格が高いといったデメリットがあります。木1本からとれる量が決まってしまっていることも費用が上がってしまう要因の1つとなっております。

デメリット2:ウォールナット材は汚れが目立つ場合がある

色としてはダークブラウンに近いため、ホコリやゴミが目立ちやすいといったデメリットがあります。定期的に掃除を行うことでこの点は対処ができますので、事前に注意しておくとよいかもしれません。

まとめ

今回は、ウォールナット材とはどのようなものか、特徴やクルミ材、オーク材との違い、メリット・デメリットなどについてご紹介してきました。実際に家具などでもよく見かける木材ですので、今回の記事でウォールナット材(クルミ材)の理解を深めていただけたら幸いです。

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成澤木工編集者

成澤木工編集者

静岡県静岡市にある木工会社・成澤木工の編集者です。 当社で行っている木工事(造作工事)、木製建具工事、家具工事、大工工事や木、建築に関する情報をわかりやすく解説していきます。 気になる情報や知りたい情報がありましたらお気軽に問合せフォームよりお問合せください。

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建具は「たてぐ」と読み、部屋や廊下と部屋を仕切る目的で取り付けられます。具体的には、玄関の扉やドア、フェンスなど内と外を分ける総称を指します。建具工事は、建物を構成する部分に金属製もしくは木製の建具を、取付ける工事のことを指します。
また建具の材質にも大きく分けて2つの種類があり、一つは木でできている「木製建具」、もう一つは金属でできている「金属製建具」です。当社が扱っているのは、木製建具(木材で作った建具のことで、木製サッシ・引き戸など)になります。
当社が行っている建具工事の種類は、下記の3つの種類です。
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・木製窓建具(窓や窓枠)→窓周辺の建具
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当社は上記以外にも木材の加工、OEM製造、木製品の製作などの工事も行っております。実際の例としては、避難用の木製滑り台(学校用)・木製コースター・本棚・升・神棚・木製の囲炉裏などを製作した実績がございます。各都道府県の県産材を使用することも可能で、無垢材なども使用できます。基本的にはどの木材でも加工が可能になりますので、この木材を使用して製作をしてほしいといったご要望やこの商品アイデアを木製品にしてほしいといったご相談がございましたらお気軽にお問合せください。
※場合により、製作が難しい場合や木材の流通上、ご希望の木材での製作が難しい場合、繁忙期等により、ご希望の期限までの製作が困難な場合がございますので、予めご了承いただけますと幸いです。

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当社が保有している機械、工場、倉庫

当社が保有している機械や工場、倉庫は、下記になります。

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