突然ですが、「集成材(しゅうせいざい)」という言葉をご存じでしょうか。聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんし、全く聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。そこでこの記事では、集成材とはそもそもどのようなものか(特徴)やメリット・デメリット、無垢材との違いについてご紹介をしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
集成材とは?(集成材の特徴)
まず初めに集成材とはどのようなものかをご紹介をしていきます。
集成材について
集成材とは、簡単にいうと「複数の木材を集めてつくられている木材」を指します。木材や板を乾燥させ、割れやフシ(節)などを取り除き、接着剤を用いて貼り合わせたもので、実際に幅広い場所に使用されています。住宅や家具、壁や床、 建材など普段使用しているものの中にも集成材が使われていることはありますので、皆さんの身の回りにも集成材で製作されたものがあるかもしれません。様々な場所によく使われている背景としては、加工がしやすく組み立てもしやすいという特徴があるからです。
集成材の中にも構造用集成材と造作用集成材という2つの種類があり、具体的な用途は下記になります。
構造用集成材
柱や梁など建物を支えるときに使う集成材
よく使われる箇所:住宅の柱、土台部分など
造作用集成材
家具や建具(ドアや窓など)を製作するときに使う集成材
よく利用される箇所:テーブルの天板、階段、敷居、カウンター、住宅の内装など
DIYでもよく使用されます。
※造作(工事、大工)に関しては、下記ブログも参照ください
集成材のメリット・デメリット
集成材のメリット
・加工がしやすい
集成材の一番のメリットは、加工がしやすく扱いやすいという点です。各木材の部位をうまく組み合わせて接着剤でつけているため、強度が同じで材料によっての差が出づらい傾向にあります。差が出づらいということは、各木材に対して同じ工程で進めやすいため、結果的に加工がしやすくもあります。また無垢材では難しいサイズ・幅・厚み・長さのもの(テーブル、家具 等)を製作することができる
・無垢材と比較して価格が安い傾向にある
前回のブログでも少しご紹介させていただきましたが、無垢材と比較して安価であるというのも集成材のメリットになります。その理由の一つが、木を余すことなく使用でき、無垢材と違って加工に手間がかかりにくい点が挙げられます。もちろん材料によっては、集成材の方が高いものもありますが、一般的には、無垢材よりもコストを安く抑えることが可能です。
・ひび割れや反りが少ない
無垢材と比較した際にひび割れや反りが少ないといった傾向にあります。無垢材の場合、木によっては水分を多く含んでおり、ひずみやねじれが起きてしまうということもあるため、注意が必要です。しかし集成材は、木材を接着して作られており、よく乾燥させているため、反りやひび割れが起きるといったことが少ないのがメリットになります。
集成材のデメリット
・耐用年数の短さ
集成材は、無垢材と比較して耐用年数(寿命)が短い傾向にあります。その理由の一つが、木材ではなく接着剤の寿命に左右されるからです。天然の木のみを使用している無垢材と比較すると耐用年数の短さはデメリットといえるかもしれません。
・健康面
安全基準はしっかりと設けられており、体に悪影響を与える物質を含む接着剤は少なくなってきていますが、中には症状が出てしまう方もいらっしゃるそうです。集成材だから体への影響が悪いということではなく、無垢材と比較した際には健康面で劣るという点をご理解いただけますと幸いです。
・見た目や触り心地
こちらも上記健康面と似たような内容ですが、見た目や触り心地は天然ものの無垢材に劣ってしまう傾向にあります。しかし普段意識して見ない限りは、気になることは少ないかと思いますので、見た目に関してはそこまで気にしていただくことはないかと思います。一方で触り心地は、場所によって気になる方もいらっしゃるかもしれません。特に床など触れる機会が多い箇所は、無垢材と集成材で異なります。特に気にしない方は、集成材で問題ないかもしれませんが、気になる方は良く触れる場所は無垢材、触れる機会が少ない場所は集成材といった使い分けをしていただくのも一つです。実際にそのような住宅、建物も多いので、わからない方はご相談いただくことをおすすめいたします。
集成材と無垢材の違い
集成材を知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、「無垢(材)」という言葉は聞いたことがある方も多いかもしれません。最近では、住宅や建物を建てる際に健康面や過ごしやすさを意識して無垢材を選ばれる方もいらっしゃいますが、無垢材と集成材には大きな違いがあります。その大きな違いが、「1本の木から作られている木材かどうか」という点になります。上記でご紹介した集成材は、複数の木材を集めて作られるとお伝えしましたが、無垢材は、天然の木をそのまま柱や床フローリングなどに加工していきます。集成材で使用される接着剤などは使用しないため、体に害がほとんどないのが特徴です。また調湿効果があると言われているため、室内を快適にしてくれたり、見た目や色が美しく、肌触りもなめらかと言われています。 木目がしっかりとしていたり、希少性が高く、高級感を出すことが可能であるため、人気があるのがポイントです。しかし集成材と比較して無垢材は高い傾向にあるため(1つの木からつくれる数が限られている)、集成材と無垢材をうまく使い分けるケースも多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の記事では、集成材とはどのようなものか(特徴)、無垢材との違いについてご紹介をしてきました。普段集成材という言葉を聞いたことがなかった方もいらっしゃったかもしれませんが、意外と身近に集成材があることをご理解いただけたかと思います。次回、集成材のメリット・デメリット、無垢材との詳細の比較についてご紹介していきますので、こちらの記事もあわせてご確認いただけますと幸いです。