突然ですが、「鴨居(かもい)」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
聞いたことがない方も多いかもしれませんが、多くの建物や住宅に存在し、重要な役割を担っているのが鴨居です。(最近では和室の減少にともない少なくなっているケースも多いです)鴨居という言葉こそ聞きなじみがない方もいらっしゃるかと思いますが、箇所を確認いただくことで、「この部分を鴨居っていうんだ」とご理解いただけるかと思います。そこで今回は、鴨居とはどこを指すものなのか、敷居との違い、鴨居に用いられる木材についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
鴨居(かもい)とは
鴨居とは、和室などにある障子や襖(ふすま)などをはめ込むために取り付けられた横木を指します。上と下に溝があるかと思いますが、上の横木を鴨居と言います。基本的に開け閉めをする障子やふすまの数によって必要な溝が決まるため、左右どちらからも開けるよく見かける2枚タイプでは、溝が2つ必要になります。ちなみに鴨居の延長で同じ高さにある横木(部屋を一周囲んである横木)のことを「付鴨居(つけかもい、つけがもい)」と呼びます。ドア(開口部)がある場所につけられる鴨居、ドア(開口部)がない箇所につけられる付鴨居と分けられており、鴨居は重要ですが、付鴨居は重要度が高いわけではなく、アクセント(部屋のデザイン面などを考慮)としてつけられるため、構造上なくても問題ありません。付鴨居のある和室は歴史を振り返ると「格」を表す、武家だけに認められた様式ともいわれています。
鴨居と敷居の違い?
鴨居と似たような役割として敷居(しきい)があります。
鴨居と比較して敷居は比較的なじみのある言葉かもしれません。上か下かによって鴨居か敷居という呼び方が変わるだけで、役割や使用される木材は似ておりますので、障子やふすまをはめ込むための横木の上が鴨居、下が敷居と覚えておいていただくとよいかもしれません。
鴨居に用いられる木材
次に、主に鴨居で使用されることが多い木材を2つご紹介していきます。
スギ(杉)
鴨居によく使用される木材の一つがスギになります。日本人にとってはなじみの深い木材であるスギですが、加工がしやすく、保湿性もあるため、日本の家屋とも相性がよかったことが古くから使用されてきた要因と言えるかもしれません。
スギについては下記記事で詳しくご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。
パイン(松)
パインも鴨居によく使用される木材の一つになります。パイン材は、材質がやわらかく、加工がしやすい・肌触りがよく、熱や衝撃を吸収しやすい・色が明るいといった特徴があります。
パインについては下記記事で詳しくご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。
上記以外にもヒノキやツガ材などがよく使用される木材になります。
まとめ
今回は、鴨居とはどこを指すものなのか、敷居との違い、鴨居に用いられる木材についてご紹介してきました。和室などが少なくなってきている現状ですが、敷居とともに重要な役割を担っている場所ですので、この記事を読んでいただき、鴨居についてのご理解をより深めていただけましたら幸いです。